警察学校ってどんな所?【元警察官が語る実態】
- 2019.09.28
- 警察官の仕事
- 警察学校は警察官の資質を問われる場所, 警察官の仕事

元警察官の方に、警察学校はどんな所か伺いました。
驚くことに、警察官採用試験に合格しても、警察学校がきつすぎて諦めてしまう人が結構います。
警察官を目指している人は、警察学校がどんな所か一度読んでおくことをおすすめします。
これは実際の体験談としてお伝えするものです。制度の変化や地域の若干の違いもありますのであくまで参考となります。
警察学校はどんな所か?
警察官採用試験に合格すると必ず警察学校に入校することになります。
この警察学校を経て警察署における勤務がスタートします。
つまり、警察学校をクリアできないとちゃんとした警察官にはなれません。
警察学校で何をするのか?
警察学校は採用試験に合格した者が、警察官としてふさわしい体力・知識を身につけるための施設です。
必ず寮に入って集団生活をしなければなりません。
この寮生活は高卒・大卒で変わってきます。
- 高卒採用は約10ヶ月
- 大卒採用は約半年
高卒・大卒のそれぞれで部屋が分け与えられ共同生活を行なっていきます。
警察学校の1日の流れ
6:30〜 起床
起床の合図の放送とともに全員が集合して点呼をとります。
その後、主にランニングや筋力トレーニングを行います。
7:00〜 清掃、朝食
清掃・炊事の当番が朝食の準備をします。
9:00〜 1限目
10:30〜 2限目
12:00〜 昼食
12:50〜 3限目
14:20〜 4限目
15:50〜 5限目
授業内容はおおまかに3つです。
- 憲法や刑法の法律の座学
- 現場における実務
- 体力づくりのための剣道・柔道・逮捕術・拳銃の訓練等
私は1番過酷とされる警備実施がなぜか好きでした。
夕方のタイムスケジュールは以下の通りです。
17:30〜 夕食、清掃
18:30〜 自由時間
21:30〜 点呼
22:00〜 消灯
これを月曜日から金曜日にかけて行います。
土日は教官からの許可が下りれば外泊ができるようになります。
入校して1ヶ月は外泊できません。
このスケジュールは一見普通に見えます。
ここの何が過酷なのか以降に説明します。
警察官の養成をします
警察学校は、採用試験合格した者が警察官として一人前になるための施設です。
言いかえると、警察官として不適合と思われる者をふるいにかける施設でもあるのです。
特に入校して1カ月間は特に厳しかった記憶があります。
警察官は、犯罪者と対峙することや警察官に対してのバッシングに耐えうる強い精神力が必要です。
まずは入校初日、学校の入り口に入ろうとすると強面の教官が待ち構えています。
1人ずつ教官に向かって挨拶をします。
認められれば入ることを許されます。
しかし、そこで声が小さかったりおどおどした態度を見せるといつまで経っても入れてもらえません。
その光景に恐れをなした入校生がそのまま帰ってしまい、警察官の道を諦めてしまった光景を今でも覚えています。
入校時点で5〜6人はいなくなりました。
入校後は理不尽なストレスにも耐えうるように教官からのしごきが始まります。
- 基本的に授業の合間の移動は駆け足
- すれ違った教官や先輩期生には全力で挨拶
- 何かある度に呼び出されて全員で腕立て伏せ
- 週末の外泊禁止令等
そういった生活を続けていく中で集団生活についていけない人が出てきます。
教官はそういった人をどんどんと辞めるように仕向けていくのです。
そうして以下のような人は辞めていきます。
・座学の成績が悪かったり体力的についていけない人
・定期的に寮で不用品や禁則品を持ち込んでないか検査があるのですが、その検査に引っかかった人
警察学校の生徒でクラス分けされるのですが、最終的に各クラス10人くらいは退職して行きました。
このように警察学校は厳しい環境にあり、ネガティブな内容ばかり多く書いてしましましたが、決して悪いことばかりではありません。
良い事だってあります。
同期生との絆
集団の寮生活で共に厳しい環境を乗り越えていくには、仲間と協力して困難を乗り越えていく必要があります。
同期といっても年齢は10代から30代まで歳の差は大きいです。
やはり、若い人は体力があるけど一般常識や精神的に未熟なところがありました。
体を使う訓練では若い人が積極的に声を出したり、ついていけなそうな人間をサポートしました。
一方で、年上の人は日常生活においてお手本となるよう努めたり、相談役になっていました。
それぞれの役割があり、自然と弱点を補い合うようになって行きました。
私は高卒採用でしたので、10ヶ月間という1年にも満たない期間でしたが、その期間でも非常に濃い時間を過ごし仲間との絆がより一層深まったと思います。
警察官を退職した今日でも未だに繋がりがあるほどです。
警察官を志す方へ
この仕事を志すにあたって、きついイメージが先行して一歩を踏み出せない人もいるかと思います。
確かに苦しい事や悲しい事もあります。
時には逃げ出したくなることもあります。
しかし、これを乗り越える事で誰かを救うことができる、誰かの希望になることができる、そんな人に夢を与える職業だと思っています。
どんなに苦しい状況でも困ってる人を救いたいと強く思うことで乗り越えることができると思います。
たくさん嫌な思いをすることがあれば、それに伴ってやりがいも返ってくる仕事だと今も思います。
もし迷っていたら、挑戦してください。
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